002.The sky goes away #009

 カーテンで閉ざされた空間の中に、ぽつんと一人。
 昼も夜も大概見飽きた天井を見据え、展望台で返答できなかった問いを反芻する。
 それをぶつけてきた“トーヤ”は“Liaison”のボーカルとして俺が求めていたものだ。
 同じ理想像を望み、こうあって欲しいと願う周囲の期待に応えたかったのも自分自身。
 一方で、双方のあり方について嫌悪感や反発心を抱く生身の俺も存在していた。

 “みんなが望む”俺と。
 “みんなに望まれることを望む”トーヤと。
 “どちらも望まず望まれない”お前と。

『いらないのは――』

 今なら即答できる。
 全員だ。

(俺は、自分に望み望まれる俺になる)

 唇の両端を吊り上げると、右手をぐっと握り締めた。

- fin -

(初出:pixiv/2016-03-12)
(加筆修正:2020-09-01〜09-07/09-27)

☆☆☆
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